『冒険を終えたので』


長いこと間を空けてしまいました。
思い出す作業が辛くてしかたありません。


現実での法事や事務処理をするために、
フレの方たちの「追悼でケープまで行くけれど一緒に行かない?」という
お誘いを断らざるを得ず(本当にすみませんでした)、
リアル友達のtakamackyさんとうちゅーさんが宅に来てくださった時に
ケープを目指すことにしました。


対人戦闘をしたことは勿論なく、バーバリアンガレーに乗って
アフリカ沿岸沿いを背後を気にせず進みました。


後になって思えば、なんて無茶な事をしてるんだという話です。
あっさりとPKさんにやられました。
撤収の鐘なんて思いつきもしませんでした。


今ではそれもいい思い出ですが、
「船の耐久が半分以下になることはない」という事を知らず
彼が造った船でケープに行きたかったので、
「船が壊れてしまったんじゃ」と眩暈がしました。
あの時、家に1人じゃなくて良かったです。


その時のtakamackyさんの他のプレイヤーさんとの交渉を見て、
こういう風にお願いすればいいのかと分かり、
後日、通りすがりのPさんにお願いしてケープへ連れて行っていただきました。


南に進むにつれ動揺が激しくなったので、
フレの方と行かなくて良かったと思いました。
偶々、初めてご一緒したPさんだったから緊張していて
自制できたのだと思います。
欧州へ戻ってからは二度と喜望峰へ行きたいと思いませんでした。


彼と一緒に遊んだ北海で、入院後には何も口に出来なかった彼に
美味しいものを食べさせられるような気がして、
この世界で一つの区切りである、殆どの調理が可能になる
R10を目指して黙々と調理をはじめました。
リアルでもゲームでも彼も調理が好きでしたし。


彼が発病し亡くなるまでの1ヶ月は看病等で1日1時間未満の睡眠時間。
それに体が慣れてしまったからなのか、その後は不眠症に掛かり
眠くても、薬を飲んでも2時間と眠れない夜が何ヶ月か続いている私には、
インすれば起きている人が誰かしらいるという
この世界がとても助けになりました。


疲れていても朦朧としても離席の状態でバザで座って
じっとしている分には誰の迷惑にもなりません。
なので、ゲーム内では日課のようにヘルデルで羊と鶏を、
ベルゲンで塩を買い込んで、
人の沢山いるロンドンの広場出向所が見える場所に
陣取って料理をしたりバザをしたり、
リアルでは本を読んだり家事をしながら朝が来るのを待っていました。


ある深夜、1人の高レベル商人のVさんが目の前に立ちました。
調理7か8レベルだったので内心
『お客様のお口にあうもの(高回復料理)はないがのう』と
呟いていましたが、その人はいきなり売っている料理の
2種類を買い占めました。びっくりしました。


その日以降、ヘルデルやアムスで調理して満タンにして持っていっても、
座ると直ぐにVさんがやってきて2種類を買占めます。
どこまで買い続けるのか、なぜこんなに料理が必要なのか。
高レベルだと沢山料理が必要なのかな?


疑問がわくとちょっと面白くなりました。
深夜に銀行の貸金庫とヘルデルとベルゲンを往復です。
各400皿作って一瞬で売ったところで好奇心に負けて話しかけ、
ごくごく浅い内容ですがお話をしました。
「料理人に会えなかった時のために大量に溜めている」
という内容の返事を頂いて思わず笑ってしまいました。
大量すぎます。その日一晩で私は600近くずつ売っていました。


その日以降、挨拶とモーション、時々のTELL程度ですが、
その方とのささやかな交流は続きました。
調理レベルが10に上がった時に気づいて褒めてくださったり、
最後の日に「引退します」とご挨拶をしたら
「お疲れさん。その気になったら戻っておいで」と言われました。


経緯を何もご存じなく大変お世話になったのはこの商人の方です。
誰かに必要とされていて、自分の力でそれに応えていける状態は
R10に向かう間のとても大きな励みになりました。ありがとうございました。