『魯智深、投資活動をするの巻』


「戦争が起きそうだ」という噂を聞き、腹減り人が更に増えるのではないかと
料理の技術を更に磨くことにしたわしであった。


ロンドン中を走り回って
・わしのレシピではどうも腹減り人の腹を満たしきれていない
・イギリスだからなのか、どうやら甘いものが売れるらしく、
 ケーキを複数の船の人々で分け合って和やかに談笑しつつ
 体力と疲労を回復する「お茶の時間」という優雅な習慣がある模様
という二点が判明した。


すると甘物レシピを増やさねばならんな。
わし、酒と肉が大好きなもんで複雑な菓子の作り方は良く分からんのよ。
バザールを覗くも本も売っておらんしのう。どうしたもんかのう。


「親分! シラクサの役人が菓子職人として名高いそうですぜ!」


ほう。それは是非弟子入りして新たな分野を開拓せんとな。
子分共、行くぞ!


シラクサ到着〜


「(中略)と、まあそんな訳で、菓子の作り方を教えてくださらんか」
「お菓子…ねえ…お菓子…贅沢品ですよ、あれらは……。
 私はこの街の発展のために日々尽力していてですね、
 他国の方の贅沢のために時間を割く余裕など……(虚空を見つめる)」


わしだって腹減り人のために尽力したいんじゃ。
虎の子の6万Dを役人の手にぐぐっと握りこませる。


「おお、あなたはこの街の恩人です! では、私は会議の時間なので失礼!」


あ…行ってしもうた…。……6万では足りんという事か。
会議が終わるまで交易でもしてくるかの。


〜翌日〜
「おや、魯殿、またお出でですか。最近官舎の雨漏りが酷くて、
 お菓子を作るどころではありませんよ」
→ぐぐっと握らせる
「おお、この街に投資してくださるか! あなたは恩人ですぞ。じゃ!」


〜翌日〜
「おや、魯殿、おはようございます。菓子を焼こうにも窯が古くて
 どうにもこうにもなりませんよ。わが街は小さくて貧しいのです」
→ぐぐっ(略)
「おお、また投資してくださいますか! 窯を新調しましょう! また明日!」

〜翌日〜(略)


「親分…いいカモにされてませんか、ひょっとして」


技術を教わるというのは一朝一夕には適わんことなんじゃよ…多分な(遠い目)
役人が良い商売のような気がしてくるわしであった。


幾日たったじゃろうか、ある日、にこやかに役人が言いよった。
「毎日熱心ですね。負けましたよ。秘伝の菓子レシピを差し上げましょう」


お、おお遂に、遂に…。お前達も見るがいい!


「お、親分! チーズをケーキに入れるってどういうことでやんすかー。
 パウンドケーキにスライスチーズを挟むってこってすかねぇ」
「お、親分、切り株のケーキってどういうことでやんすかー」


レ、レシピを母国語に訳すまで待っておれ(焦)
牛や羊を買い付けつつ、乳絞りをしながら徹夜で勉強じゃ!


(続く)