『大海戦を見学に行くの巻』


噂の大海戦が始まるという事で、わしも参戦はしないが
どんなもんか雰囲気を知りたくてアテネに行ってきたんじゃ。

8時に開戦だったらしいんじゃが、
誤解しとって9時に到着してしまったんじゃな。
ヤッファは危険海域じゃろうが、アテネの傍まで
結構寄ってみてもお空からの声が何も聞こえんかったので
アテネは安全海域にぎりぎり入るかもしれんのうと
呑気に操船しとったら不意に死のマークが見えて焦ったわい。


ま、海戦中は海賊行為をしている場合でもなかろうと
あまり深く考えずに船を進めてみたら……。


な、なんじゃ、この船の大きさと数は!


わし、こんな数の船、船乗りになってから一度も見たことないぞ。


ズドーン・バコーン・バキバキー・わーわー


わしの船は誰の目にも見えなかったのか、
砲撃の下を掻い潜って、無事、港に入ることが出来たわい(汗)


……。


な、なんじゃ! この人の多さは!!


こんなにこの世界には人がおったのか!


まだまだわしの知らん事が世の中には沢山あるのう…。
そんなことを思い、一通り見学して早々に退散したわい。
海軍から出陣要請が出とるようじゃが、あんな中に出られるかい!
お偉いさん方は何を考えとるのかのう…。
もっともっと修行して、元の通りの無頼漢に戻れたら
考えてやらんでもないがの。
若い頃のやんちゃ気分を取り戻したらの。


「親分がやんちゃすると大変なことになるよな」
「…なるな。だって昔は素手で……」


どうかしたかの?


「なんでもないっす!(ぶるぶる」