「酒造りに興味を覚えるの巻」


さて、料理も随分慣れてきたことだし、もう少し商売の幅を広げてみるかの。
…となるとやはりここは『酒』。わしには『酒』。どう考えても『酒』。
宝石とか洋服よりも酒じゃろう。
本当のところを言えば紹興酒を造りたいんじゃが、
転生を誤ってアムステルダムに生まれたんじゃし洋酒を造るかの。


洋酒を造るとなると必要な物は…『工芸』技術か。
教えてくれる師がナポリのギルドにいるとか聞いたのう。
行ってみるか。


「OH! 魯智深サーン、あなた軍人ネー。軍人ダメネー。
 工芸を覚えたければ美術品取引を覚えてくるいいネー」


な、なにい!? 何故に美術品取引? 
わしが造りたいのは酒で、彫刻や絵画ではないぞ?
しかも取引と酒造りと何の関係があるんじゃ?


ま、まあ、酒も美術品としての価値があるのかもしれん。
ミケランジェロさんが取引を教えてくれるらしいから覚えてこよう。
しかしミケさんはそういう人ではないような気がするんじゃが。


「美術品取引を覚えたい? フ、これだから素人は怖い(肩すくめ)
 それより先に覚えることがあるではないか。
 工芸品取引だよ、キミ。取引の基本ではないか(指突きつけ)」


順番やら何やらが色々間違っとる気がしてならんのじゃが…。
そういわれては仕方ない。工芸品の取引を覚えてこよう。
カレーで覚えられるのか…折角地中海まで来たのに、
カレーに戻らねばならんのじゃな……。


こうして傷心のまま、カレーに帰る前にマディラへ向かい、
腹いせに砂糖を買いまくり、
パウンドケーキを999本焼いてしまうわしであった。


☆SSはお揃いの鎧を着ておられたサン・ミッシェル殿と撮ったものじゃ。
 体型一つでこうも雰囲気が変わるんじゃな。
 わしの鎧はやけに十字が強調されとるが、わしの腹が鉄より強くて
 鎧が伸びているわけでは決して(略)
 サン・ミッシェル殿の孔雀帽がちょっぴり羨ましい今日この頃であったわい。


 しかし、かぶるものは気をつけないと・・・・・・(以下次号)