『魯智深、少々悩んでみる』
こうして行けそうな新港を幾つか廻り、
マルセイユへ戻ってきたのじゃが、そのときマルセイユにいた相当人数が
フレの方々じゃったのにはびっくりしたわい。
相互が顔見知りではないようじゃったのに、
前も後ろ右も左もフレの方ばかり。
残念ながら商談に励んでおられたり、旧交を暖めておられるご様子じゃったので、
お声かけはせず敬礼したりひっそりカモメを飛ばすにとどまり、
後は光景を目に焼き付けて一人にやにやするのであった。
その後、アクセル殿と滝殿はお二人で何か依頼を果たしに遠くへ旅立っていかれ、
わしはEXILLION殿と二人旅(子分どもはおるが)。
彼が商談に励んでおらるる間、わしは現地をくまなく廻って探索じゃ。
暫くあちこちを巡っていて気付いたことがあるんじゃよ・・・。
・・・・・・。ここでもそうか・・・・・・。
「・・・旦那、なぜそんなところでSSを?」
わし、自分をちょっぴりがっちりなぽっちゃり系じゃと思っておったのじゃが、
あちこちの港で「この人はわしよりぽっちゃり系に相違あるまい!」と
隣に並んで立ってみると大抵わしより小柄なんじゃな・・・・・・。
「親分・・・? あれ? どこ行っちまったんだ?
いつもの存在感が周囲に感じられないが」
「親分なら厨房にさっきからこもりっぱなしだぜ」
「『酒じゃ酒じゃー』とか中から聞こえるでやんす」
「ど、どうする?」
「こういうときはそっとしとくにかぎるでやんすよ」
(続く)